膝の仕組み
膝は4つの骨を多くの靱帯(じんたい)や腱、筋肉がつないで、動かしています
膝には、大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)<すねの骨>と腓骨(ひこつ)、丸い膝蓋骨(しつがいこつ)<いわゆる膝のお皿>の4つの骨が集まっています。
大腿骨の先端は2つに分かれていて、前では前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)、後ろでは後十字靱帯(こうじゅうじじんたい)がその間に入り込み、大腿骨と脛骨をつないでいます。また、大腿骨と脛骨の間には、線維と軟骨(なんこつ)でできている半月板(はんげつばん)があります。半月板は半月から三日月になるときの月の形をしていて、膝の内側と外側に1枚ずつ並んでいます。一般に「膝関節」とは、これらを総称していう大腿脛骨関節(だいたいけいこつかんせつ)のことです。
大腿脛骨関節では大腿骨が丸く、脛骨は外側が丸くて、内側がくぼんでいます。そのため形が合わず、骨と骨の間が広くなっています。その間を靱帯が結びつけ、半月板がクッションとなって、筋肉とともに膝の動きをなめらかにしています。さらに前にある膝蓋靱帯(しつがいじんたい)、横にある側副靱帯(そくふくじんたい)が大腿脛骨関節を補強し、脱臼から守っています。また、膝蓋骨は膝の曲げ伸ばしのときに骨と大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の摩擦を減らし、スムーズに動くための役割をも担っています。
関節が円滑に動くために、関節軟骨(かんせつなんこつ)や関節液(かんせつえき)が、機械における潤滑油のような役割を果たします
膝は体の関節では最も大きな荷重を受ける関節です。歩いたり走ったりすると、膝には体重の5~7倍の力がかかります。また、方向転換などでも膝にはいろいろな方向に力がかかります。膝はまさに二足歩行を支えている関節といえます。
膝の骨の先端は、骨と骨が直接当たらないように表面が非常になめらかな関節軟骨という組織で覆われています。このため、膝が動いたときにもほとんど摩擦が起こさず、骨の端にかかる圧力も分散しています。
さらに、膝関節は関節包(かんせつほう)という袋に包まれ、その内側には滑膜(かつまく)があり、そこからヒアルロン酸という糖分でできた関節液が分泌され、関節軟骨同士が当たらないように関節包の中を満たしています。この関節液は体重がかかったときには力のかかる部分に濃縮して分布し、関節軟骨の間を広げる働きもしています。
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